2005 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞におけるABCタンパク質のアルカロイド輸送方向決定の分子機構
Project/Area Number |
04J00405
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
士反 伸和 京都大学, 生存圏研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ABC / MDR / 輸送 / ベルベリン |
Research Abstract |
キンポウゲ科薬用植物、アキカラマツの培養細胞は生産したベルベリンを全て細胞外に排出する。この排出にはMDR様ABCタンパク質が関与することが示唆されており、昨年までにTmMDR1,2の二分子のクローニングを行った。本年度においては、両分子種の機能解析を目的として異種細胞である酵母において発現させ、ベルベリンやその他毒性物質に対する酵母の耐性試験を行った。これまでにオウレン培養細胞由来のMDR様ABCタンパク質CjMDR1はベルベリンを取り込む活性が報告されているが、CjMDR1と最も高い相同性を示すTmMDR2の発現酵母は、CjMDR1発現酵母同様薬剤4-NQOに対し感受性を示した。この結果はTmMDR2が薬剤取り込み型であることを示唆した。しかしながらベルベリンに対しては顕著な感受性変化は観察されなかった。一方、TmMDR1発現酵母はコントロールに比べ薬剤ローダミン6Gに対し耐性を示し、排出型である可能性が示された。両タンパク質はアミノ酸レベルで77%の相同性を示すが、アミノ酸一次構造上からも両タンパク質において輸送方向決定に関与すると思われる部位が観察された。来年度においてドメインごとの置換を行うことにより、輸送方向を決定する因子を同定する。
|
Research Products
(3 results)