2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリンクラススイッチ及び体細胞高頻度突然変異の分子機構の解析
Project/Area Number |
04J00918
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 聡美 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 体細胞高頻度突然変異 / 蛋白質合成 / ウラシルDNAグリコシレース |
Research Abstract |
Activation-induced cytidine deaminase(AID)は体細胞高頻度突然変異(somatic hypermutation ; SHM)のDNA切断の過程に必要であることが考えられているが、その分子機構はまだ明らかにはなっていない。現在、AIDが未知のmRNAのシトシンを脱アミノ化することにより、SHMエンドヌクレエースを合成する新しいmRNAを生じさせるRNA説とDNA上のシトシンをウリシンへ脱アミノ化した後にウラシルDNAグリコシレース(uracil DNA glycosylase ; UNG)によりウラシルを除去するDNA説とが考えられている。RNA説では新たな蛋白質の合成が必要であるため、蛋白質合成阻害剤であるシクロヘキサミド(cycloheximide ; CHX)を用い、SHMに新たな蛋白質の合成が必要であるかについて検討を行った。DNA切断はヒストンH2AXフォーカスの形成を指標とし、Chromatin Immunoprecipitation(ChIP)assayを行った。その結果、SHM誘導時のAID依存的なDNA切断がCHXでは阻害されるが、UNG特異的な阻害剤では阻害されないことが明らかとなった。この結果よりSHMにはAIDの発現、新たな蛋白質の合成及びDNAの切断が必要であり、UNGによるウラシルの除去が必要でないことがわかった。これによりAIDの作用機序としてAIDが未知のmRNAのシトシンを脱アミノ化することにより、SHMエンドヌクレエースを合成する新しいmRNAを生じさせるRNA説が示唆された。
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Research Products
(1 results)