2005 Fiscal Year Annual Research Report
呈色型機能性ホスト分子の開発と水中における分子認識への展開
Project/Area Number |
04J01193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷間 大輔 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 呈色型分子認識 / カリウム特異的 / 無色錯体 / 完全水中 / 水素結合駆動 |
Research Abstract |
当研究室で呈色型機能性分子として開発されたフェノールフタレイン誘導体を用いて、主に2つのテーマについて研究を進めた。 (1)アルカリ金属に対する温度依存性の呈色挙動の解析と評価 (2)水溶性ホスト分子の合成と完全水中での分子認識挙動 (1)Na^+及びK^+は生体内において重要な役割を担うイオンであり、分子認識化学的なアプローチによる特異的検出は重要な課題の1つである。フェノールフタレイン誘導体とアルカリ金属との温度変化に伴う呈色挙動は、Na^+とK^+で正反対になり鮮明なコントラストを描くことを既に報告している。網羅的な解析を行った結果、ホストはK^+に対して1:2の無色錯体を形成していること、ならびに会合定数を算出することができ、これまで不可能であった錯体の定量的な評価が可能になった。さらにこの応用として、すべてのアルカリ金属のうちK^+を加えた時にのみ退色するという、カリウム特異的な呈色識別も達成した。 (2)既に当研究室ではプロトン性溶媒中における水素結合駆動型の呈色型分子認識にいくつか成功しているが、それらはすべてメタノール中での評価にとどまっていた。生体内分子の定量等を考慮すれば、水中での水素結合の分子認識というより高次の機能を持つ呈色型分子の開発が望まれていた。ところが、これまでのフェノールフタレイン誘導体は水にはほとんど溶解しないため、水溶性を付与した第二世代の機能性フェノールフタレインを新たに設計・合成した。十分な水溶性を獲得したホスト分子を用い完全水中生理的pHにおいて、ジアミン分子の長さの違いを呈色の強弱として表現することに成功した。
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Research Products
(1 results)