2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J01215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 一馬 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アルツハイマー / Aβ42 / βアミロイド / 凝集 / 神経細胞毒性 / β-シート / ターン / プロリン |
Research Abstract |
アルツハイマー病因ペプチドであるβアミロイド(Aβ42)は、分子間β-シート構造をとることによって凝集し、神経細胞毒性を示す。Aβ42凝集体においてβ-シートを形成する部位を同定することは、その凝集阻害剤を開発する上で不可欠である。本研究者らは最近、Aβ42は22位付近でターン構造を形成し、15-21位および24-32位で分子間β-シートをとり、さらにN末端でランダム構造をとることによって凝集するという新しいモデルを提唱した。本研究では、C末端の凝集における役割を明らかにする目的で、β-シートをとりにくくターンをとりやすいプロリン残基で、33-42位を系統的に置換したAβ42変異体を合成し、それらの凝集能および神経細胞毒性を調べた。 各種Aβ42変異体の凝集能は遠沈法で、細胞毒性はMTT法にて評価した。その結果、34位および38位の変異体は、野生型よりも速く凝集し、それぞれの凝集体は野生型と同等の熱力学的安定性を示した。また、これらの変異体はいずれも野生型と同等の細胞毒性を示した。一方、35-37位および40-42位の変異体の凝集能および細胞毒性はきわめて低かった。以上より、C末端において34位および38位付近でターンを形成し、35-37位および40-42位でβ-シートをとっていることが強く示唆された。これらのβ-シートが分子内か分子間かは明らかではないが、分子内β-シートをとったAβ42が核となり凝集している可能性が推定された。さらに、22、34、38位のそれぞれのターン部位を同時にプロリン置換したAβ42変異体は、野生型と同等の凝集速度を示し、その凝集体は野生型と同等の熱力学的安定性を示した。
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Research Products
(3 results)