2006 Fiscal Year Annual Research Report
木質バイオマス資源を用いたポーラスナノカーボン材料の創製
Project/Area Number |
04J01280
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒崎 文雄 京都大学, 生存圏研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 木質炭素化物 / 炭素構造 / 昇温速度 / 急速熱分解 / 多孔質材料 |
Research Abstract |
平成18年度は、「急速加熱法を用いて調製した木質炭素化物の多孔質性の検討およびその応用用途開発」をテーマに研究を遂行した。多孔質炭素材料は、高電気伝導率、軽量、耐熱・耐薬品性など優れた特徴を有し、吸着材や触媒担体の基盤材料として有用である。一般に、マクロポーラス炭素材料の合成は、ポリウレタン等の多孔体材料や、セルロース等の繊維材料に熱硬化性樹脂等に浸透・硬化させ、炭素化する複数の工程から成る。著者らは、製造コストの低い単一工程である急速加熱法を用いることで、木質バイオマスから3Dネットワーク構造体を有し、均一な多孔質性も有するマクロポーラス炭素材料を合成することに世界で初めて成功した。これにより、再生可能な木質バイオマス資源を原料とする低コストマクロポーラス炭素材料の合成が可能になった。これらをまとめ、「Macroporous carbon prepared by flash heating of sawdust」としてCarbonに投稿し、すでに掲載されている。また、本マクロポーラス炭素材料は、高空隙かつ高強度であることが確認された。これは、3Dネットワーク構造体であることに由来している。このような合成時の昇温速度の変化に伴う強度および空隙率の特性変化について検討した結果をまとめ、「A Characterization on Mechanical Property of Macroporous Carbon Prepared by Flash Heating of Sawdust」としてCarbonに投稿予定である。また、本マクロポーラス炭素材料を基礎材料とすることで、賦活処理による比表面積の向上、本材料をテンプレートとしたポーラスメタルの合成手法の確立といったより付加価値の高い高機能性材料の創製を検討した。
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Research Products
(1 results)