2005 Fiscal Year Annual Research Report
星間ガスの内部構造及びダストの分布を考慮した銀河の形成進化の研究
Project/Area Number |
04J01891
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
岡本 崇 国立天文台, 理論研究部, 特別研究員PD
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Keywords | 銀河形成 / シミュレーション / 数値流体 / 星間ガス / 準解析的モデル |
Research Abstract |
1.WMAP衛星による宇宙背景放射の観測による、宇宙論モデルは「平坦、低密度なコールドダークマター宇宙」としてほぼ決定した。そこで、その宇宙モデルに基づいた銀河形成シミュレーションを行い、特に、爆発的星形成の際に星の初期質量関数が太陽近傍のそれと変化しうる場合の効果について調べた。その結果、もし爆発的星形成で、標準的な場合よりも大質量星が大量に形成されるならば、コールドダークマターモデルの下では実際の宇宙に比べて渦巻銀河が形成されないという問題を解決できることを示した。 2.このような宇宙論的なシミュレーションで形成された銀河の衛星銀河は球状に分布するダークマターとは異なり平面状に分布し、観測される衛星銀河の分布を自然に説明できることを示した。 3.準解析的モデルを用いて、1と同様に爆発的星形成では大質量星が多く形成されるというモデルを用いて銀河団銀河の重元素量並びに重元素比を調べた。その結果、標準的な星の初期質量関数では説明できなかった観測される銀河の重元素比がこのモデルでは自然に説明できることが示され、「爆発的星形成では大質量星が多く生まれる」という仮定をより強固なものとした。
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