2004 Fiscal Year Annual Research Report
外生菌根菌の接種技術を応用した、酸性化した土壌に高い抵抗性を持つ針葉樹の開発
Project/Area Number |
04J01946
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
香山 雅純 森林総合研究所, 北海道支所, 特別研究員
|
Keywords | アカエゾマツ / エゾマツ / トドマツ / カラマツ / 光合成特性 / 水分生理 / 外生菌根菌 / 土壌酸性化 |
Research Abstract |
北海道の代表的針葉樹のトドマツ、エゾマツ、アカエゾマツや造林樹種のカラマツの根系には、多くの場合外生菌根菌が感染している。これらの樹種は外生菌根菌と共生関係を結ぶことによって養分や水分の吸収が助長され、成長を促進させている。また、外生菌根菌は、近年増加している酸性降下物の影響を受けやすく、酸性化した土壌から溶出され、植物に対して毒性を示すアルミニウムやマンガンに対しても感受性が高い。しかし、一部の外生菌根菌は、アルミニウムに対して高い抵抗性を持つと報告されている。本研究は、道内に優占するマツ科樹木に高いアルミニウム耐性を持つ外生菌根菌を接種し、酸性降下物に伴う土壌酸性化の影響に加え、増加を続けるCO_2の影響を加味した複合影響が、接種個体のアルミニウム耐性と成長に及ぼす効果を検証する。そして、植林時に外生菌根菌を接種する技術を、酸性環境下における森林の修復・再生技術として新たな知見を提供することを最終目標とする。 本年度は、外生菌根菌の接種に伴う樹木の養分・水分の吸収促進と、成長促進効果を検討するために、トドマツ、エゾマツ、アカエゾマツ、およびグイマツ雑種F1の実生に、コツブタケとハツタケ(グイマツF1に関してはハナイグチとシロヌメリイグチ)の接種を行い、実生の育成を実施した。来年度に光合成能力、および水利用特性の測定を実施する。 本研究の予備調査として、アカエゾマツ・エゾマツ苗の移植後における外生菌根菌の感染率を検討した。褐色森林土に植栽したアカエゾマツ・エゾマツにおける移植直後の外生菌根菌の感染率は約33%であったが、2年目では60%、3年目では80%に感染率が上昇した。また、アカエゾマツは蛇紋岩起源の特殊土壌でも高い外生菌根菌の感染率を示した。
|
-
-
[Journal Article] Deforestation effects on the Micrometeorology in a cool-temperature forest in northernmost Japan.2005
Author(s)
Takagi, K., Nomura, M., Fukuzawa, K., Kayama, M., Shibata, H., Sasa, K., Koike, T., Akibayashi, Y,.Fujinuma, Y., Inukai, K., Maebayashi, M.
-
Journal Title
Journal of Agricultural Meteorology 61(in press)
-
-
-
-
-