2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー捕捉を利用した微小界面におけるトライボロジーの研究
Project/Area Number |
04J02462
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村澤 尚樹 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザートラッピング / 液晶液滴 / トライボロジー / 光トルク |
Research Abstract |
微小領域におけるトライボロジーの詳細を明らかにすることは、マイクロ・ナノメートルオーダーの人工的なアクチュエーターの実現や生体内の分子モーターの運動のメカニズムの解明において極めて重要である。本研究は、光学的異方性を持つマイクロメートルオーダーの液晶液滴を偏光レーザービームで捕捉・回転させたときの液滴の回転挙動を観測することにより、液晶液滴と周囲の溶媒との液-液界面におけるトライボロジーの詳細を解明することを目的としている。本年度はそれぞれ異なる分子構造を持つネマチック液晶液滴を円偏光レーザービームにより捕捉し、その回転挙動を解析することで、液晶液滴と周囲の溶媒との液-液界面におけるトライボロジーの影響の解析を行った。 試料となる液晶液滴は、ネマチック液晶を重水中に混合、攪拌させることにより作製した。捕捉用レーザーとしてCW Nd:YAGレーザーの基本波(1,064nm)を用い、液晶液滴を偏光顕微鏡下でレーザートラップし、液滴の回転周波数、液滴を透過したレーザー光の偏光状態を解析した結果を基に、液滴と重水との界面におけるトライボロジーの解析を行った。 各ネマチック液晶においてトライボロジーの解析を行った結果、液晶の種類によってトライボロジーの効果が異なることが明らかになった。これらの結果は液晶の疎水性・親水性及び表面張力が大きく影響していると考えられる。そこでこれらの影響を評価するため、各液晶をガラス基板上及び水上に滴下し、液晶の接触角の測定を行った。その結果、液晶の種類によって接触角が異なる様子が観察された。これは液晶分子の液滴表面での配向、及び分子の大きさがトライボロジーに影響を与えることを示唆する結果である。今後は液晶液滴内部の構造の変化の有無、及び液晶液滴の分子配向がどのようにトライボロジーに影響を及ぼすかについて解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)