2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J02745
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉田 幸彦 東京理科大学, 理学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超イオン伝導体 / 水素結合型結晶 / 強弾性体 / ドメイン構造 |
Research Abstract |
水素結合型プロトン伝導体MHXO_4は、構造相転移に伴い電気伝導度が絶縁体的な電気伝導性から10^<-2>〜10^<-3>S/cm程度の半導体的な電気伝導性へと劇的に変化する特徴ある振る舞いを示す。また固体で安定した高いイオン伝導性を100℃以上の温度領域で示すことから、無水で使用でき、ガスのクロスオーバーが無いといった利点があることから固体電解質にMHXO_4を用いた燃料電池の研究も盛んに行われている。近年イオン伝導体は応用面からも非常に注目されており、MHXO_4型の超イオン伝導性の発現機構を明らかにすることは、新しいイオン伝導体の創生といった観点からも非常に重要である。そこで我々はMHXO_4型のイオン伝導性を統一的に理解するために研究を行っている。MHXO_4型のイオン伝導体は、室温相において強弾性ドメインを示し、このドメインの消失が超イオン伝導性の出現と密接に関係していることが知られている。そこで弾性とプロトン輸送との関係を調べるためにCsHSO_4を用いて、各相のドメイン構造を観察するために光学的測定、格子歪を調べるためにX線解析を行った。その結果330K、370〜390K付近においてドメイン構造の変化が観測され、格子の歪が急激に減少すること,が明らかになった。また^1H-NMR測定から330K、370〜390Kにプロトンが急激に活性化する温度であることが明らかになっていることから、格子歪が減少する温度とよく一致している。この事は、、330K、370〜390Kの構造相転移に伴った、格子歪の現象により、プロトンが活性化するといった弾性とプロトン輸送に関する関係を強く示唆する結果を得た。
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Research Products
(1 results)