2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔領域における副交感神経反射性血管拡張反応に及ぼす種々麻酔薬の作用機序
Project/Area Number |
04J03019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水田 健太郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 副交感神経反射 / 血管拡張 / 口唇 / 口蓋 / 三叉神経脊髄路核 / 唾液核 / 全身麻酔薬 |
Research Abstract |
口腔領域への三叉神経性刺激、すなわち舌神経、上・下歯槽神経、眼窩下神経などの三叉神経の側枝の求心性電気刺激により、口腔顔面領域(歯肉、舌、咬筋、口唇、口蓋)に反射性の血管拡張、唾液腺・涙腺分泌などが生じる。今年度の研究では、当初予定していたネコの入手が困難となったため、ラットを用いて以下の研究を行った。 1.ラット口腔領域における副交感神経反射性血管拡張反応に対する各種麻酔薬の影響の評価 γ-aminobutyric acid(GABA)を介して麻酔効果を発揮すると考えられている各種全身麻酔薬が口腔顔面領域における体性-副交感神経反射性血管拡張反応に及ぼす血管拡張抑制作用を、バルビツール系静脈麻酔薬(ペントバルビタール)及び吸入麻酔薬(イソフルラン)を用いて検討した。その結果、これらの麻酔薬により口腔顔面領域の副交感神経反射性血管拡張反応は用量依存性に抑制を受けることが明らかになった。 2.ラット口腔領域における副交感神経反射性血管拡張反応の中枢機序の検討 私は過去のネコでの研究で、口腔顔面領域からの感覚性一次性ニューロンが三叉神経脊髄路核で中継された後、副交感神経核である上唾液核・下唾液核に興奮を伝え、口腔顔面領域(口唇・口蓋)の血管拡張反応を副交感神経反射性に起こすことを明らかにしている。今年度の研究ではラットにおいてもネコと同様の反応が確認され、また咬筋においても上記と同様の経路を取ることが示唆された。さらに顎下腺及び涙腺においては、三叉神経脊髄路核の他に弧束核の関与が示唆されたが、これについては現在検討中である。 来年度は、麻酔薬投与時の副交感神経反射性血管拡張反応の反射中枢(三叉神経脊髄路核、弧束核、唾液核)におけるGABAの影響の評価を中心に検討する予定である。
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Research Products
(1 results)