2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖アルコールの口腔エコロジーに及ぼす影響に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04J03025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀 はるみ (宮澤 はるみ) 東北大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 糖アルコール / キシリトール / ミュータンスレンサ球菌 / 糖代謝阻害 |
Research Abstract |
糖アルコールの一種であるキシリトールはミュータンスレンサ球菌の増殖および糖代謝を阻害する。その阻害程度は菌株によって異なるが、その原因は十分に検討されていない。そこで、本年度はキシリトール感受性の異なる3種のStreptococcus mutansを用い、キシリトールの糖代謝阻害の違いとその機構について生化学的に検討した。S.mutans ATCC 31989、NCTC 10449、NCIB 11723の3株をグルコースを含む複合培地で嫌気培養し、集菌・洗浄後、嫌気ボックス内のpHスタットで、pH7.0でのグルコース溶液(10mM)またはグルコース-キシリトール混合液からの酸産生を測定した。同様に培養した菌をトルエン処理し、グルコースおよびキシリトール取込み酵素系(PEP-PTS)活性を測定した。30mMキシリトール存在下、グルコースからの酸産生能はATCC 31989で86.3±0.6%、NCTC 10449で25.8±5.0%阻害された。ATCC 31989はわずか5mMのキシリトールでも68.2%阻害された。一方、NCIB 11723は全く阻害されなかった。また、グルコース:PEP-PTS活性を100とした場合の相対キシリトール:PEP-PTS活性は、ATCC 31989で111.0、NCTC 10449で25.3、NCIB 11723で14.3であった。以上のことからキシリトール:PEP-PTS活性が高いほどキシリトール感受性が高いことが分かった。これは、PEP-PTSにおける糖のリン酸化基質を巡るキシリトール:PEP-PTSとグルコース:PEP-PTSの競合、およびキシリトール:PEP-PTSで生ずるキシリトール5リン酸による糖代謝系酵素の阻害が原因と推察される。
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Research Products
(2 results)