2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03137
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石杜 昌弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 光MEMS / 波長可変レーザ / 光スキャナ |
Research Abstract |
一般に光システムは複数の異なるバルク材料の組み合わせと、光が伝播する空間を用意する必要性から、立体的で大きな空間を必要とする。本研究では、各素子のアセンブリまで考慮に入れたMEMS(Microlectromechanical System)支援型による光システムを実現する。そこでSiウェハを折り曲げる技術を用い、自由度の高い立体構造を実現する方法を提案した。具体的には、光学ベンチ上にMEMS型光スキャナを配置し、回折格子を隣接して配置することで特定の回折角をもつ波長だけが選択されるLittman型外部共振器波長可変レーザの製作を行っている。ウェハ折り曲げ技術を応用し、チューニングミラー回転軸を空間の特定位置にする工夫をし、モードホップ特性において有利に働く構造に設計した。チューニングミラーには平行移動と回転動作が必要であり、単純な回転のみではモードホップフリーの実現が出来ない。そこで、チューニングミラーには平行な2つの軸で回転するMEMS型ミラーを用い、平行移動および回転動作を実現する。可動フレーム、内部ミラーは静電力による櫛歯電極型アクチュエータをそれぞれ用いることで、独立に駆動できるようにした。また、広い波長可変範囲を得るため、チューニングミラーでは、大きな動作範囲が必要となる。そのため、ウェハ折り曲げ技術を応用し、可動フレームの駆動用に深い立体構造を有する垂直櫛歯電極型アクチュエータを形成した。SOI(Silicon on Insulator)ウェハを用いて、MEMS型チューニングミラーを製作した。直流電圧40Vで垂直櫛歯電極型アクチュエータを駆動させ、ミラー端で120μmの動作範囲を実現した。また、可動フレーム、内部ミラー用アクチュエータをそれぞれ独立に駆動し、チューニングミラーにおいて平行移動と回転移動を制御することができた。
|