2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞死を抑制する新しいSHHシグナル経路に関与する2E1d遺伝子の機能の解析
Project/Area Number |
04J03499
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小谷 徳生 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経管 / 細胞死 / SHH / Gタンパク質共役型レセプター |
Research Abstract |
Gタンパク質共役型レセプターである2Eldは、ドミナントネガティブ型を強制発現すると神経管において細胞死を誘導することから神経上皮細胞の細胞死を抑制する機能を果たしている可能性が示唆された。このような機能をもつ分子としてShhタンパク質が候補にあげられている。2EldがShhシグナル経路と相互作用するかを調べるため、これまでに培養細胞へShhのレセプターであるPatchedlと2Eldの共導入を行い、Shhが存在、非存在状態における両タンパク質の免疫染色と、共免疫沈降実験を行った。これらの結果から2EldとPatchedlがShh存在下で直接結合することが示唆された。しかしながら膜タンパク質の可溶化や、その後の相互作用のアッセイには界面活性剤の種類や濃度が重要であることが知られている。得られた結果は膜タンパク質の相互作用を調べるのに最適な条件でなかったので、再度いくつかの条件を設定して確認している。さらにShhシグナルとの相互作用については、2EldがShhの強制発現によって誘導されるが、2Eldの強制発現によってGlilなどのShhシグナルの転写産物が誘導されないことから、神経管の腹側化におけるシグナルとは別のシグナル経路を形成することが考えられた。また2Eldは初期の神経上皮細胞だけでなく、spinal cordの分化した運動神経や、中脳視蓋の第一層を形成する細胞群にも発現することがin situ hybridizationや2Eldの細胞内C末端領域を抗原として作製した抗体による免疫染色によって確かめられた。これらの細胞における2Eldの機能を調べるため、2Eld特異的なsiRNAの導入や、テトラサイクリン遺伝子発現誘導系を用いたドミナントネガティブ型2Eldの強制発現を行っている。
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