2004 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期からの移動のネットワークと奄美・沖縄文化の生成について
Project/Area Number |
04J03540
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本山 謙二 千葉大学, 文学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 移動 / 関西地区 / 普久原朝喜 / 島唄 / 1920〜30年代 / 奄美・自立への展望 / 移住史 / メディア論 |
Research Abstract |
今年度の実施状況として、「これまでの研究成果のまとめとして学会報告、及び学会誌等への執筆が主な作業になると思われる」と計画報告に書いた。そしてその成果が、論文3本と学会等への報告が2本となり、当初の計画通りの研究実績となった。 具体的に今年度は、研究成果を論文として形にする必要があったため、資料の収集などが重要となった。そこで大阪市を中心とした関西地区や沖縄へのフィールドワークなどを行った。その成果は、沖縄から関西地域へ移住し、そこでのめざましい活動から後に「沖縄音楽の父」と呼ばれた人物についての文化研究として結実した。その論文は、「移動の経験によって生成された音と『うた』-1920〜30年代の普久原朝喜の活動を中心に」『グローバリゼーション・スタディーズ2 グローバリゼーションの文化政治』テッサ・モーリス=スズキ、吉見俊哉編、(平凡社、2004年、242-271頁)として成果になった。 また今年度の研究実績で特筆すべき点は、「奄美・自立への展望 公開シンポジウム 新しい奄美世界の創出」というシンポジウムへの参加だった。これは鹿児島大学奄美プロジェクトの一環として鹿児島県大島郡和泊町で行われたものであり、奄美群島広域事務組合、和泊町教育委員会に後援されているように、まさに地域との協同で行われたシンポジウムであった。このことは、今年度の計画報告書に私が研究の方向性として書いた、「フィールドワークを通じて、その移住史をメディア論的なアプローチから従来の地域研究を読み返す作業を行う」という方向性のなかで、地元の郷土史家や参加した島民などと、質問や議論を通じて地域研究が読み返される実践の場としての意味があった。以上が今年度の研究実施状況である。
|
Research Products
(3 results)