2006 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期からの移動のネットワークと奄美・沖縄文化の形成について
Project/Area Number |
04J03540
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本山 謙二 千葉大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 移動 / 移民 / 鹿児島市 / 長崎県南島原市 / 奄美 / 都市文化 / 芸能 / 地域研究 |
Research Abstract |
最終年度である今年度は、当初の計画で、「これまでの研究成果のまとめとして学会報告,及び学会誌等への執筆が主な作業になると思われる。」と書いた。そしてその成果が、論文2本と学会等への報告が3本、またアウトリーチ活動も行い、初期の計画通りに実施されたと言えるだろう。 具体的には、今年度は、研究成果をまとめる計画があったために資料の収集などが重要であった。そこで大阪市を中心とした関西地区などへのフィールドワークなどを行い、その成果は、三池炭坑に関する二つの唄に関する分析を行なった、「同じ場所の二つの唄 漂泊の現場・口之津・鹿児島市の『シマ』から」『音の力 沖縄アジア臨界編』インパクト出版会、2006年6月、266-281頁、という業績、また、「奄美のシマジマの唄」『総合展示解説シリーズ(1)大阪人権博物館総合展示図録(可変型編)』大阪人権博物館、2007年1月、17頁、という成果に結びついた。 こうした従来の研究と同時に、今年度の活動で特筆すべき点は、「地域研究次世代ワークショップ ディアスポラから世界を読む」における「移動民にとっての都市文化と芸能空間」という報告テーマにあるように、これまでの理論化および、これからの研究への展望を開いたことだった。具体的にいうならば、これまで本研究は、移動民という視点から行なわれて来たが、これに加え、移動民を受け入れる側の変化までも研究の範囲に入ったことである。それをまとめると、フィールドワークを通じて,その移住史をメディア論的なアプローチから従来の地域研究を読み返す作業を行うという方向性のなか、さらに受け入れる側の変化を重視し、立体的に捉えることで、地域研究を読み返す作業であったと言えるだろう。以上が今年度の研究実施状況である。
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Research Products
(2 results)