2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内マグネシウム濃度変化によるG蛋白質制御機構の計算機シミュレーションによる解明
Project/Area Number |
04J03636
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 健一 千葉大学, 大学院・医学薬学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Gタンパク質 / Mgイオン / 生体膜 / ラフト / 分子動力学 / シミュレーション / 糖鎖 / 糖脂質 |
Research Abstract |
Mg^<2+>イオンの局所的濃度変化によるG蛋白質の制御機構を解明すべく、以下のことを行った。 (1)Mg配位型とMg解離型G蛋白質の分子動力学計算 (2)生体膜モデル構築プログラム"GLYMM"の開発 (3)脂質二重膜モデルのライブラリー構築 (4)G蛋白質・生体膜・イオン複合体モデルの自動構築プログラムの開発 (1)の結果を論文としてまとめ、Journal of the American Chemical Societyに投稿し、採択された。 (2)は、GLYMMという名前を付け、VMDのプラグインとしてプログラムを構築した。現在も開発を継続している。このプログラムを用いて、ラフトモデルを構築し、その分子動力学シミュレーションを行った。その結果を、日本薬学会物理系部会PPF2005で発表し、総合優秀論文賞を受賞した。 脂質分子の違いによって、膜界面でのMg^<2+>イオンの局所的濃度変化が起こるかを明らかにするため、(2)のプログラムを利用して、異なる脂質分子から成る脂質二重膜モデルのシミュレーションを行い、(3)の膜ライブラリーを構築した。現在までに、POPC, POPE, POPS, DPPC, DPPE, DPPS, DMPC, DMPE, DMPS, N-lauryl-SM, N-myristoyl-SM, N-palmitoyl-SM, N-oleoyl-SM, N-arachidoyl-SMの計15種類の計算を終了している。今後さらに種類を増やし、結果をデータベースとして構築するとともに、膜界面でのMg^<2+>イオンの挙動を追う予定である。 (2)のプログラムを拡張して、(4)のタンパク質・生体膜・イオン複合体モデルを自動で構築するプログラムを開発し、生体膜にGタンパク質共役型受容体であるウシロドプシンを自動で埋め込むことに成功した。
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