2004 Fiscal Year Annual Research Report
形態・機能の構築過程における受容体型チロシンキナーゼRor2の役割
Project/Area Number |
04J04038
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 裕之 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 受容体型チロシンキナーゼ / 神経系特異的欠損マウス / Ror2 / BAG3 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
受容体型チロシンキナーゼRor2は発生過程の神経系細胞及び間葉系細胞を中心に発現を認め,骨・軟骨,心臓,肺等の形態形成に必須の分子である。Ror2欠損マウスは新生児致死を呈するため,生後個体におけるRor2の機能解析が困難であった。そこで,神経系におけるRor2の機能を明らかとすることを目的とし,中枢神経系あるいは神経堤細胞特異的なRor2欠損マウスを作製した。神経堤細胞特異的Ror2欠損マウスは,Ror2欠損マウスと同様に新生児致死を呈したため生後個体の解析が困難となった。しかし,中枢神経系特異的Ror2欠損マウスは,生後個体解析が可能である。一方,分子・細胞レベルの解析に関しては,Wntシグナル伝達の調節分子であるCKIεがRor2の活性化メカニズムに関与することを明らかにしたものの,Ror2細胞内シグナル伝達に関しては不明な点が多い。そこで以下の解析を行った。第一に,マウス胚由来のcDNAライブラリーを用い,大腸菌に一連のタンパク質を発現させ,Ror2タンパク質プローブと会合する分子の探索を行った。その結果,細胞のアポトーシスを抑制する分子として知られるBCL2-associated athanogene 3 (BAG3)をRor2会合分子として同定した。また,培養細胞を用いた解析においても,Ror2はBAG3と会合することを見出した。第二に,野生型及びRor2欠損マウス胎児由来のタンパク質を用い,Ror2会合分子の検出を行った結果,銀染色レベルでの数種類の会合分子を検出した。
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Research Products
(1 results)