2004 Fiscal Year Annual Research Report
フィジーにおけるインド系住民の移動に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
04J04162
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
城戸 俊一郎 東京都立大学, 大学院・社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 文化人類学 / フィジー / 移民 / 南アジア / 土地問題 / 民族 / オセアニア / 文化変容 |
Research Abstract |
本年度は、1.フィジーにおけるインド系住民の歴史的変遷、2.インド系住民とフィジー系住民の関係、3.インド系住民のフィジー国内外における移動の実態の解明を目的とした研究を行なった。 これらの研究を遂行するにあたり、平成16年8月から17年1月にかけてフィジー共和国ヴィティ・レヴ島において行なったフィールド・ワークが中心となった。具体的には首都スバにての公文書館、統計局、USP(南太平洋大学)においての史資料の収集、ヴィティ・レヴ島バ・エリア及びナンドロガ・エリアにおける調査を行なった。 研究の成果としては、以下のことが挙げられる。 1 (1)年季契約労働制度のもと入植した当時(1879年から1921年)のインド系住民の実態。 年季契約労働期にインド系住民の宗教およびカースト間の関係が如何に変化したかについて、実態の解明と分析を行なった。 (2)インド系入植100周年(1979年)と125周年(2004年)の式典をめぐる言説。 1987年、2000年に起きたフィジー系住民主導のクーデタをはさんでのインド系住民の意識変化についての実態の解明との分析を行なった。 2 土地をめぐるフィジー系住民及びインド系住民の関わりの実態と実践の解明。 土地の貸し手であるフィジー系住民と借り手であるインド系住民の相互関係の実態と実践の解明を行なった。 3 インド系住民の移動の実態と世帯内の戦略。 フィジー国内および国外(主にアメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア)への移動の実態を解明した。また、その際に活用される紐帯と実践される世帯内の戦略に着目をし解明に努めた。
|