2004 Fiscal Year Annual Research Report
粘土鉱物上におけるポルフィリン分子の配向制御と光捕集系構築への応用
Project/Area Number |
04J04186
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
江口 美陽 東京都立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノ層状化合物 / ポルフィリン / 有機・無機複合体 / 配向角 / 二色性測定 |
Research Abstract |
本研究は、分子を思い通りに並べる手法を見出すことを目的としている。これまでに、当研究グループでは、ナノ層状化合物とポルフィリンを用いることでこの目的に挑戦してきた。その過程で、層状化合物上でポルフィリンを規則配列させるためには、ナノ層状化合物表面上の平均電荷間距離と、ポルフィリン分子の分子内電荷間距離がほぼ一致している必要があることなどを見出してきた。そこで、このテーマをさらに発展させ、ポルフィリンの吸着配向角を制御し、分子の三次元的な配列を制御することに挑戦している。層状化合物上のポルフィリンは水中に分散しているとき平面吸着をしている。そこで、ポルフィリン・層状化合物複合体を分散させる溶媒の極性を変化させると、配向角変化が起きることを新しく見出した。添加する溶媒の種類、吸着させるポルフィリンの価数などによって、配向変化の挙動が異なることを見出した。添加する溶媒としては、水と混和性があることを第一の条件とし、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、また、極性の異なるものを選んで検討を行った。ポルフィリンとしては、二価カチオン性、四価カチオン性のものを検討した。様々な検討の結果、この配向変化が、水素結合力の変化が一因であることも突き止めた。配向角変化の直接的な観察として、エバネッセント波による二色性測定を行い、配向角の見積もりをした。ポルフィリンのような、二方向に遷移モーメントを有する板状分子の配向角の見積もりは例が少なく、配向角算出の式も独自に導出した。
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