2005 Fiscal Year Annual Research Report
Nアセチルガラクトサミン4硫酸6硫酸転移酵素により合成される高硫酸化構造の機能
Project/Area Number |
04J04208
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大竹 しおり 愛知医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 糖鎖 / コンドロイチン硫酸 / 硫酸転移酵素 / 遺伝子ノックアウト |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸E(CS-E)などの高硫酸化構造は、粘膜免疫系・神経系・血液凝固系など多彩な生理学的機能が示唆されている。N-アセチルガラクトサミン4-硫酸6-O-硫酸転移酵素(GalNAc4S-6ST)はこれらの高硫酸化構造の合成に関与している。高硫酸化構造の機能を明らかにするために下記の方法によりアプローチしている。 1.GalNAc4S-6ST遺伝子ノックアウト(KO)マウスを作製し個体レベルでの機能解析 得られたキメラマウスの交配を業者に委託し、アグーチマウスの遺伝子型をPCR・サザンブロット解析によって決定した。ヘテロマウス同士の交配(業者委託)により得られたマウスの遺伝子型を調べた結果、KOマウスが得られた。現在、得られたKOマウスの各組織におけるCS-E合成、GalNAc4S-6ST遺伝子の発現を確認している。 2.コンドロイチン硫酸(CS)の非還元末端に存在する高硫酸化構造と種々のタンパク質との結合活性の検討 CSの非還元末端に存在する構造と同じ、GalNAc(4SO_4)-GlcA(2^<35>SO_4)-GalNAc(6SO_4)、GalNAc(4,6-bis^<35>SO_4)-GlcA(2SO_4)-GalNAc(6SO_4)という2種類のオリゴ糖を調製するために、ウロノシル2-O-硫酸転移酵素(2OST)の基質特異性を調べた。その結果、2OSTはCSのGalNAc(4SO_4)-GlcA-GalNAc(6SO_4)という配列を厳密に認識し、CSに存在する高硫酸化非還元末端構造の合成に、GalNAc4S-6STと共に関与していることを明らかにした。 3.粘膜系肥満細胞におけるCS-Eの役割 粘膜系肥満細胞におけるCS-Eの役割を調べるために、現在、RNAi法によるBMMCでのGalNAc4S-6ST遺伝子の発現制御系の確立を検討している。
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