2004 Fiscal Year Annual Research Report
海水中の生物起源温暖化物質の濃度・同位体による地球化学的物質循環に関する研究
Project/Area Number |
04J04338
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 磨 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メタン / 同位体 / 地球化学 / 温暖化 / 生物関連気体 / フラックス / オホーツク海 / 南太洋 |
Research Abstract |
温暖化関連気体であるメタンの濃度を、他の海域に較べて地質的・生物地球化学的に濃度が高いと予想されつつもほとんど観測した例がない海域を中心に研究を進め、海洋における多くの知見を得てきたが、その生成、混合、消失過程をより詳細に明らかにするには、濃度のみならず同位体の情報が不可欠である。生物関連温暖化気体は気候変動に大きく関わっていることから、いつ、どこで、何によって作られ、どのように利用され(変質を受け)、どのように消失するのかを炭素や水素、窒素や酸素同位体比のみならず最新の技術を用いて同位体分子種(分子内同位体分布:アイソトポマー)を測定することによって海洋での動態を把握し、その変動要因を明らかにして生物関連温暖化関連気体であるメタンや亜酸化窒素の地球化学的物質循環の履歴を読み取ることが必要である。 具体的には研究実施計画に則り、本年度は海水中のメタン同位体、亜酸化窒素濃度・同位体(分子種)の高感度・高精度測定を行うためのガスクロマトグラフを含めた自動抽出・濃縮、測定装置一式の製作を行った。従来行われていた手作業によるメタンおよび亜酸化窒素の抽出ラインを自動化し、一度に短時間で多くの試料を測定できるようにするための改良も同時に行った。自動化するにあたり、まずコンパクトで可搬型の手動ラインを作成してガスクロの設定を行い、その結果を自動化ラインに応用した。従来法では約2時間要していた濃縮分離時間を約15分に短縮した。予備実験を繰り返し行うことにより方法を確立し、次年度以降の保存サンプル測定やフィールドワーク現場での測定に大きく貢献することが期待される。
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Research Products
(1 results)