2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04405
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小南 淳子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / 動径方向の移動 / 原始惑星 / ガス円盤 |
Research Abstract |
惑星形成が起こる際、円盤内にはガスや残存微惑星円盤が残っていると考えられる。円盤があることにより、ガスの粘性による摩擦や円盤との重力相互作用による力学的摩擦が天体に働く。その結果、原始惑星の離心率、軌道傾斜角、軌道長半径は減衰される。粘性摩擦は天体の質量小さいほど効いてくるが、天体質量が月質量程度以上になると力学的摩擦力が効き、天体は中心星に落下を始める。中心星落下の効果を考慮すると、固体物質がなくなり惑星が形成されないため、過去のN体計算ではこの動径方向の移動は考慮されなかった。 一方、線形計算から導出された動径方向移動速度はガス円盤に一つの原始惑星があるという仮定をしている。しかし、現実には他の原始惑星も存在すると考えられる。他の原始惑星が存在すると、原始惑星どうしが相互作用する。この相互作用は惑星移動速度を変える可能性がある。 本研究では円盤からの重力相互作用をも考慮し、動径方向の移動も計算に入れ、微惑星から原始惑星が形成される段階をN体計算する。円盤ガスは指数関数的に散逸させる。散逸のタイムスケールもパラメータとした。その結果、落下は中心星に近い所から起こり、原始惑星が複数存在する影響はないということが示された。本研究では、円盤のガス・ダスト比と初期固体面密度の関数で最終的にどのくらいの固体面密度が残るかを解析的に導出した。その解析解と使うと、現在の地球型惑星はガス・ダスト比の低い円盤から形成された可能性があることが判明した。また、この解析解を使い、惑星移動を考慮した時、林モデルに限らず、さまざまな円盤でどのくらいの惑星が形成されるのかも議論することが可能になった。
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