2004 Fiscal Year Annual Research Report
音響放射力-重力複合場を用いた音響物性による粒子分離法の確立
Project/Area Number |
04J04548
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
益戸 孝 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 音響放射力 / 定在波 / ポアズイユ流れ / 粒子分離法 / 超音波 |
Research Abstract |
音響放射力-重力複合場を利用した粒子の流れ分離系の設計として、複合場に対してポアズイユ流れを垂直に作用させる系を考案した。複合場チャンネル壁面付近に超音波定在波の節を発生させることが粒子分離に対して有利であると考え、超音波の反射を利用する方法(反射法)とチャンネル上下壁面に配置した二つのトランスデューサから発生する超音波の位相を変化させる方法(位相変化法)により超音波定在波形の制御を試みた。また、トランスデューサへの供給電圧を一定とする電圧一定法と供給電圧を制御する電圧制御法の二つの実験操作法を提案した。これらの超音波定在波形制御法と実験操作法の全ての組み合わせによってポリスチレン(PS)粒子の溶出時間制御に成功した。このことは、複合場がサンプル粒子に作用していることをあらわし、本法による粒子分離の可能性を強く示唆するものであった。PS粒子とpoly(acrylonitrile-co-vinyl chloride-co-methyl methacrylate)(PANVCMM)粒子の混合分散液をサンプルとし位相変化法を用い波形制御し電圧一定法により実験を行った。その結果得られた溶出ピークは同条件でそれぞれの粒子の分散液から得られたピークによく一致した。また、全く同じ密度を持つPS粒子とポリビニルトルエン(PVT)粒子の混合液をサンプルとして同様に実験を行った結果、二つの分離ピークが得られ、PS粒子とPVT粒子の分離の可能性が示唆された。すなわち、本法によっての音響物性に基づく粒子の分離の可能性を示すことができた。しかしながら、PS及びPVT粒子単独で実験を行ったときの溶出ピークを完全に説明できる結果を得られなかった。このことは、チャンネル内での粒子-粒子相互作用や流体力学的な作用を考慮しなければならないことを示している。
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Research Products
(2 results)