2004 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光標識アミノ酸の部位特異的導入による細胞内タンパク質の動態機能解析法の開発
Project/Area Number |
04J04927
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
梶原 大介 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 無細胞タンパク質合成系 / 4塩基コドン法 / 非天然アミノ酸 / 蛍光標識アミノ酸 / 蛍光二重標識 / 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET) / タンパク質コンフォメーション変化 / カルモジュリン |
Research Abstract |
本年度は、4塩基コドン法を用いた、2種類の蛍光標識アミノ酸を部位特異的に有するタンパク質合成法の最適化と、そのタンパク質のコンフォメーション変化を蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の変化として検出することを試みた。カルシウム結合タンパク質カルモジュリン遺伝子のN末端領域、C末端領域をそれぞれ4塩基コドンCGGG、GGGTに置換したmRNAを作製した。また、それとは別にアンチコドンにCCCG、またはACCCを持つtRNAを作製し、蛍光標識アミノ酸、BODIPY FL-p-aminophenylalanin、BODIPY 558/568-p-aminophenylalaninを用いて、それぞれを化学的にtRNAの3'末端をアミノアシル化した。それらを、大腸菌由来無細胞タンパク質合成系に加えたところ、BODIPY FL、BODIPY 558/568の両方が導入された完全長のカルモジュリンの発現が確認された。また、その蛍光スペクトルを測定したところ、BODIPY FLの極大励起波長付近の490nmで励起した際に、BODIPY 558/568由来と思われる強い蛍光が確認されたことから、カルモジュリンの両末端に位置する蛍光基が近接しFRETを起こしていることが確認された。また、Ureaによる変性滴定実験を行ったところ、Urea濃度の上昇に伴いB558AF由来の蛍光が減少し、BFLAF由来の蛍光の増加が確認された。このことから、カルモジュリンの構造変化をFRET効率の変化として検出できることが示された。また、本研究においては新規蛍光標識アミノ酸の設計も行い、幾つかの蛍光標識アミノ酸に関しては、タンパク質への導入が確認された。今後、これらの新規蛍光標識アミノ酸の組み合わせを検討することにより、より汎用性の高いタンパク質コンフォメーション変化の検出技術として確立する予定である。
|