2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J05378
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
稲倉 恒法 新潟大学, 自然科学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 不安定核 / 励起状態 / RPA |
Research Abstract |
中性子過剰原子核では低励起エネルギーに巨大共鳴とは異なる双極子励起(ピグミー共鳴)が観測されており、不安定核に特有なソフト双極子モードとの関連が議論されている。しかしながら、微視的な理論計算は数少なく、その対象は球形核に限られており、その結果もモデルによって異なるのが現状である。このピグミー共鳴状態を、有効核力を用いた自己無撞着な混合基底RPAのコードを用いて計算し、その状態の性質を調べた。ピグミー共鳴は、フェルミ面近傍にある核子の緩く束縛された一粒子状態または共鳴状態への励起の重ね合せで表現される集団運動状態として存在しており、励起先の状態が空間的に広がっている事に起因して大きな遷移強度を持つ事が分かった。また、個々の一粒子励起に措ける遷移密度のコヒーレンスも大事な役割を担っており、このコヒーレンスが弱い時は重ね合せで表現される状態であっても遷移強度が大きくならない事も示した。先達の結果と比較すると、遷移強度の大きさに違いはあるものの、相対論的平均場計算の結果に似たものとなっている。また変形核でもピグミー共鳴が存在するのかについて、始めての計算を行なった。変形核でもピグミー共鳴は存在するものの、その集団性が低くなってしまう事を示した。これは他の集団運動モードと同様の傾向である。これらの結果について幾つかの研究会で発表しており、現在論文執筆中である。
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Research Products
(2 results)