2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本の伝統性と一九三〇年代モダニズムの相互交渉に関する学際的文学研究
Project/Area Number |
04J05437
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
西村 将洋 同志社大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | モダニズム / 日本的なもの / 日本の近代化 / 花道 / ナショナリズム / アヴァンギャルド / 技術 / 身体 |
Research Abstract |
学会誌『日本近代文学』(第72集、2005年5月)に、拙稿「浪漫派の「ゴルフ」--『日本浪曼派』創刊前夜」を発表した。これは日本のナショナリズムとインターナショナリズムの癒着関係や、日本の古典文学と近代的空間性との混淆状況を論じたものである。 また、2005年5月に国際日本文化研究センターのシンポジウム「ワビ・サビ・幽玄--「日本的なるもの」の誕生」に参加し、「堀口捨己の建築理念」と題して日本の伝統建築とモダニズムの関係についての口頭発表を行った(この内容については既に論文を執筆しており、2006年度中に共著として刊行される予定である)。 加えて、2005年8月にロンドンでの研究調査を行った。具体的には、The British Library、University College London Libraryなどの研究機関で、1930年代にロンドンで発行された雑誌Townsmanについての調査を行い、同誌に掲載された日本のモダニズム詩人の作品や、同誌の編集者Ronald Duncan、同じく雑誌の運営に関与した詩人Ezra Poundに関する調査を行った。この調査を踏まえて現在論文を執筆中である。 この他に、昨年度から参加していた共同研究「日本の近代化過程における技術と身体の思想」の一環として、2005年7月に、花道・モダニズム・文学の関係についての口頭発表を行った。これについては、『技術と身体--日本「近代化」の思想』(ミネルヴァ書房、2006年3月)の、第11章「近代<風流>の思想圏--西川一草亭と漱石山房の身体感覚」として論文を発表した。 その他にも個別の研究会に参加し、その成果を、『大衆文学の領域』(共著、大衆文学研究会、2005年6月)、『日本のアヴァンギャルド』(共著、世界思想社、2005年5月)のなかで公表した。
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