• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2004 Fiscal Year Annual Research Report

ラットの学習能力に及ぼす長期食餌制限の効果

Research Project

Project/Area Number 04J05455
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

柳井 修一  同志社大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords長期食餌制限 / 加齢 / 記憶 / 学習 / 空間認知 / 認知能力改善 / ラット
Research Abstract

長期にわたる食餌制限がラットの身体的側面によい影響を与えることは古くからの研究によって示されているが、認知的側面に与える影響については研究により異なっており、一貫した結果が得られていない。
この不一致の原因として、研究間で食餌制限強度が異なっていたことが考えられる。そこで、今年度は自由摂食群の40%、60%、80%、100%のいずれかに体重を維持する4食餌制限強度を設定した。各強度に対応する4群(40%群、60%群、80%群、100%群=自由摂食群)を被験体とし、食餌制限強度がモリス型水迷路課題の遂行に与える効果を年齢縦断的に検討した。訓練は食餌制限開始前の2ヶ月齢と、食餌制限開始後の3、7、9ヶ月齢で行った。9ヶ月齢の訓練2週間後、逃避台位置を移動し、台移動後場所課題を行った。さらに、12ヶ月齢、19ヶ月齢でもそれぞれ新しい逃避台位置で台移動後場所課題を行った。
結果、食餌制限の効果は3回行われた台移動後場所課題において有意であり、40%群の成績は他の3群と比較して有意に劣っていた。さらに、これらの課題について食餌制限強度を独立変数、学習測度を従属変数とする回帰分析を行ったところ、二次回帰曲線の一致係数は一次回帰直線よりも高いことが示された。この結果は、学習成績は食餌制限強度の二次関数として表されることを示唆しており、この観点から先行研究で得られた結果の不一致を説明することが可能と考えられる。また、二次回帰曲線の極限値に対応する独立変数の値を空間学習に最適な食餌制限強度と考え、月齢ごとに最適食餌制限強度を算出した。その結果、空間学習に最適な食餌制限強度は9ヶ月齢では98.3%、12ヶ月齢では88.9%、19ヶ月齢では84.1%であった。このことから、被験体の中年期以降の発達に伴って徐々に食餌制限を強めることにより、老齢期に認知能力を保持できる可能性が示唆される。

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi