2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いたピロリ菌感染における胃腺粘液細胞型粘液の機能解明
Project/Area Number |
04J06015
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊藤 有紀 信州大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | セミノックインマウス / トランスジェニックマウス / O-グリカン / 糖鎖遺伝子 / ピロリ菌 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胃粘膜表層部の表層粘液細胞で特異的にヒトα4gnt遺伝子を発現させたトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作出することにより、ピロリ菌感染におけるαGlcNAc含有びグリカンの機能を個体レベルで明らかにすることである。 平成18年度は、受精卵への追加マイクロインジェクションを経て、サザン選抜の結果3-100コピーの遺伝子断片が挿入されたFOマウス5頭より、F1マウスの繁殖ならびにライン選抜を行った。F1マウスの胃および肝臓を採取し、ヒトα4GnT抗体ならびにHIK1083抗体で免疫染色を行ったところ、ヒトα4GnTの発現は確認されなかった。またRT-PCRでもヒトα4GnT遺伝子は検出できなかった。ヒトα4GnT遺伝子が発現していない可能性としては、導入遺伝子断片がサプレッサー付近に導入されることにより発現が妨げられた可能性、構築した導入遺伝子断片のプロモーターが作用しなかった可能性が挙げられる。よって、Tgマウスの作製方法を再考した。 (株)ワイエス研究所殿(現・(株)フェニックスバイオ)との共同研究により、セミノックインマウスの作出に着手した。セミノックインストラテジーは、発現制御の忠実性を解決するために、BACクローンを直接組み換えてTgマウスを作出する方法である。胃の表層粘膜部に発現していることが明らかになっているMUC5ACの5'プロモーターの下流にヒトα4GnT遺伝子を挿入したグノムクローンを構築した。マイクロインジェクション、FOマウスのサザン選抜の結果、1コピー、3コピーのTgマウスをそれぞれ3頭、1頭を得た。現在、F1マウスの繁殖を行っている。今後、ライン選抜の結果、表層粘膜部でヒトα4GnTのmRNAならびにタンパク質の発現が確認されたTgマウスを得ることができれば、SS1株を用いたピロリ菌感染実験を予定している。
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Research Products
(1 results)