Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究の目的は、胃粘膜表層部の表層粘液細胞で特異的にヒトα4gnt遺伝子を発現させたトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作出することにより、ピロリ菌感染におけるαGlcNAc含有びグリカンの機能を個体レベルで明らかにすることである。平成18年度は、受精卵への追加マイクロインジェクションを経て、サザン選抜の結果3-100コピーの遺伝子断片が挿入されたFOマウス5頭より、F1マウスの繁殖ならびにライン選抜を行った。F1マウスの胃および肝臓を採取し、ヒトα4GnT抗体ならびにHIK1083抗体で免疫染色を行ったところ、ヒトα4GnTの発現は確認されなかった。またRT-PCRでもヒトα4GnT遺伝子は検出できなかった。ヒトα4GnT遺伝子が発現していない可能性としては、導入遺伝子断片がサプレッサー付近に導入されることにより発現が妨げられた可能性、構築した導入遺伝子断片のプロモーターが作用しなかった可能性が挙げられる。よって、Tgマウスの作製方法を再考した。(株)ワイエス研究所殿(現・(株)フェニックスバイオ)との共同研究により、セミノックインマウスの作出に着手した。セミノックインストラテジーは、発現制御の忠実性を解決するために、BACクローンを直接組み換えてTgマウスを作出する方法である。胃の表層粘膜部に発現していることが明らかになっているMUC5ACの5'プロモーターの下流にヒトα4GnT遺伝子を挿入したグノムクローンを構築した。マイクロインジェクション、FOマウスのサザン選抜の結果、1コピー、3コピーのTgマウスをそれぞれ3頭、1頭を得た。現在、F1マウスの繁殖を行っている。今後、ライン選抜の結果、表層粘膜部でヒトα4GnTのmRNAならびにタンパク質の発現が確認されたTgマウスを得ることができれば、SS1株を用いたピロリ菌感染実験を予定している。
All 2006 2005 2004
All Journal Article (4 results)
Methods in Enzymology 415・C
Pages: 164-179
Plant Cell 17・3
Pages: 665-675
実験医学 23・2
Pages: 287-289
Science 305・5686
Pages: 1003-1006