2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規プロテアソーム阻害化合物の探策を目指すオキサゾロマイシンの全合成研究
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04J06033
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福元 浩徳 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロテアソーム / オキサゾロマイシンA / 抗腫瘍活性 / 不斉合成 / 閉環メタセシス / 置換アミノ酸構築 |
Research Abstract |
オキサゾロマイシンAのコア部合成にあたり、(2S)-3-ヒドロキシイソ酪酸メチルからそれぞれ合成したカルボン酸セグメントとアルコールセグメントをカップリングし良好な収率でエンイン体を得た。この基質をもとに本合成の鍵反応であるエンイン閉環メタセシスを行ったところ、未だ収率は低いものの目的とする八員環ラクトンを得ることに成功した。この化合物は置換アミノ酸構築における重要中間体と位置付けられ、閉環メタセシスを鍵反応とする本合成ルートによって、オキサゾロマイシンAコア部合成が可能であることを示す端緒をつかむことができた。現在、Sharpless不斉エポキシ化それに続く置換アミノ酸構築を検討中である。 一方、セリン単位構築の足場となるアリルアルコール単位の導入にキレーションコントロールによる立体選択的アルケニル化を用いる別ルートについても検討した。(2R)-3-ヒドロキシイソ酪酸メチルから短段階で合成可能なケトンを基質とし、2-ブロモ-2-プロペノールを用いた立体選択的アルケニル化を試みたところ、反応はスムーズに進行し、望む不斉を持つアリルアルコールを良好な収率で得ることに成功した。この化合物に置換アミノ酸構築法を適用し、アミノ酸単位を形成した。これによりオキサゾロマイシンAコア部の全炭素骨格の導入に成功したことになる。現在、コア部合成の最終段階である五員環ラクタム及び四員環ラクトンの形成を検討している。
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