2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規サイトカインEBI3を用いた自然発症ぶどう膜炎の病因解明と治療への応用
Project/Area Number |
04J06417
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武田 篤信 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | インターロイキン / サイトカイン / ヘルパーT細胞 / ぶどう膜炎 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 自己免疫疾患 / 感染症 |
Research Abstract |
ぶどう膜炎の発症の多くはTh1/Th2バランスの破綻がそのメカニズムの一つとして考えられているがその発生機序は不明であり治療に反応しない症例も存在する。Th1細胞およびTh2細胞は同じナイーブCD4+T細胞から分化するが、その分化制御機構の破綻は種々の感染症や自己免疫疾患の発症に関係していると考えられている。Epstein-Barr virus induced gene 3(EBI3)は1996年にクローニングされた分子である。その機能については不明であったが、最近の研究により、インターロイキン27(Interleukin-27、 IL-27)がEBI3とp28との二つの分子の2量体により構成されていることがわかった。IL-27の機能はナイーブCD4+T細胞のTh1細胞への分化制御に関与する、すなわちTh1反応の誘導に関与する事がわかっている。我々はIL-27受容体であるWXS-1ノックアウトマウスにおいてぶどう膜炎モデルが悪化することを見いだした。また、眼部以外の組織におけるIL-27の役割について、自己免疫性腸炎、気道過敏症などの自己免疫疾患モデル及びListeria monocytogenes、Leishmania majorなどの細胞内寄生病原体などの感染症モデルを用いて野生型とWSX-1トランスジェニック(Tg)マウス、ノックアウトマウスとの比較を行っている。WSX-1 Tg由来のCD4+T細胞を抗CD3抗体で刺激し増殖能を測定したところ、WSX-1リガンドとされるIL-27刺激がない状態でも増殖能が亢進しており、CD25、CD44、CD69の活性化マーカーの発現も増強していた。さらにIFN-γ及びIL-4産生も著しく亢進していた。一方、in vitro Th1分化アッセイにおけるIFN-γ産生能については野生型と比べ差は見られなかった。これらのデータよりWSX-1がCD4+T細胞の活性化を制御している可能性が示唆される。
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Research Products
(1 results)