2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際障害分類ICFと利用者評価による発達障害児者の社会参加のための支援方法の開発
Project/Area Number |
04J07001
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
堀口 寿広 国立精神・神経センター, 知的障害部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際生活機能分類(ICF) / 支援 / 障害 / 社会参加 / 社会福祉 / 知的障害 / 発達障害 / 利用者評価 |
Research Abstract |
発達障害児・者の社会参加を促進し地域生活を支援するため、医療、療育、教育、福祉をはじめとする支援の現状を把握し、支援充実のための対策を検討した。まず全国の小児神経科医師を対象とした調査により、多くの医師が養護学校卒業後の発達障害者を診療する一方で、発達障害者の施設との連携は発達障害児関連の施設との連携に比べて乏しいことを明らかにした。つぎに福祉的施設において提供される施設サービスの施設自己評価と、施設利用者の保護者による評価を実施し、支援ニーズの汲み取りを行なった。調査に参加した施設は利用者の個別の要求に対応していると答える一方で、不満や苦情処理のあり方や利用者のプライバシー保護について改善すべき点が多いと感じており、職員の質の向上に対する支援が薄く医療機関との連携も乏しいと回答した。また国際生活機能分類(ICF)の利用は少なかったが、構成要素のうち積神機能と神経系の構造・対人関係・制度・政策が発達障害児・者の社会参加に重要な要因であると考えていた。よりよい施設サービスの提供のためには、地域の医療機関による医療的支援や職員の研修といった対人的教育的支援が急務であると考えた。そして利用者個人の生活機能を評価する尺度としてICFを利用し社会参加の到達度による利用者の群分けをしたところ、到達度の高い群は若年者に多かった。能力と実行状況が等しく到達度の固定した群は通所更生施設や作業所の利用者に多く、保護者の多くはグループホームでの生活と同時に現在の施設利用の維持を望んでいた。専門医療に対するニーズは利用者の背景によらず高かった。発達障害児・者の自己決定と社会参加を支援するためには、支援者は利用者および保護者によるニーズと支援者自身が想定したニーズの比較検討に加え、医療的支援の充実を中心とした支援者個人の取り組みが必要と考えた。
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Research Products
(6 results)