2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際障害分類ICFと利用者評価による発達障害児者の社会参加のための支援方法の開発
Project/Area Number |
04J07001
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
堀口 寿広 国立精神・神経センター, 社会精神保健部, 室長
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Keywords | 国際生活機能分類(ICF) / 地域支援 / 知的障害 / 特別支援教育 / 発達障害 / 連携 |
Research Abstract |
発達障害児が早期から利用することのできる地域生活支援の充実を目的とした研究を実施した。文部科学省が推進する特別支援教育制度において活用される発達障害の診断基準をもとに質問紙を作成し、小児科診療所内に開設した「子ども相談室」を通じて保護者と教師に記入してもらい、回答を比較検討することで両者の子ども理解における認識のズレを明らかにした。質問紙を仲立ちとして、保護者と教師が認識を共有することにより学校現場での円滑な支援が提供できるようにした。結果、注意障害や多動、学習の遅れは保護者、対人関係の問題は教師からの回答が多く、子どもの様子のうちで両者が注目しやすく、発達障害の早期発見のための注目点と考えた。保護者と教師の間で子どもの状態について理解の「ズレ」があり、教師や専門家が発達障害について正しい知識を欠く場合には「ズレ」が拡大し、円滑な連携に基づく支援が行われないと考えた。また、質問紙の回答状況を子どもの特性ととらえ、子ども本人や保護者にも結果を容易に把握できることをめざしてチャーノフのグラフを用い視覚化する試みを行った。つづいて児童および知的障害者居宅介護事業(ホームヘルプ)の利用実態と課題を明らかにする目的で、全国の両事業者から抽出した計1,410事業者を対象に郵送によるアンケート調査を実施した。サービス利用後に良好な変化の見られた利用者の特徴を、国際生活機能分類ICFを用いて記述した。結果、大都市圏以外の町村部では地域の社会福祉協議会がサービスを提供する唯一の事業者となっているものの、児童および知的障害者の登録者が皆無の地域が多く、社会資源の地域格差が大きいことを明らかにした。
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Research Products
(7 results)