2004 Fiscal Year Annual Research Report
単一イオンイベントによる高分子ナノ構造体の形成と機能
Project/Area Number |
04J08417
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佃 諭志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノワイヤー / イオンビーム / 高分子 / 架橋反応 |
Research Abstract |
イオンビームの物質への照射は、イオントラックと呼ばれる極めて高い活性種濃度の化学反応場を与える。イオンビームの高分子薄膜への照射によって引き起こされるイオントラック内での高分子架橋反応は、ナノメートルスケールの量子細線(ナノワイヤー)を与える。1)ナノワイヤーの長さは、ターゲットとなる薄膜の厚みを正確に反映する、2)ナノワイヤーの太さは入射するイオンのLET及びターゲットの分子サイズにより制御可能、3)ナノワイヤーの一端は基板上に化学結合によって固定され、その基板上の数密度が入射したイオン数を正確に反映する。即ち、一度の反応操作でナノワイヤーの3次元構造を規定する、長さ・太さが同時に、かつ自由に制御可能である事を実証した。 また、ポリシラン・ポリカルボシラン及びポリカルボシランとポリビニルシランのブレンドポリマーで形成されるナノワイヤーを比較することにより、ナノワイヤーの太さは、ターゲットとなる高分子材料によっても制御可能であることを、さらに、その高分子の違いによるナノワイヤーの太さサイズの違いを、定量的に解析することによりエネルギー付与密度と高分子の架橋のG値との間の相関関係を明らかにした。 ワイヤー末端が化学結合により固定されている点に着目し、1)基板処理によって形成されたナノワイヤーを選択的に着脱する、2)溶媒による未架橋部分の処理過程において、その溶出を利用してナノワイヤーの単一方向に配行させる、点に成功した。
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Research Products
(1 results)