2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J08420
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀田 崇 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高等植物 / 微小管 / ヒストンH1 |
Research Abstract |
これまでの研究により、高等植物細胞において核表層からの微小管の構築がヒストンH1によって行われていることが示唆されている。核表層におけるヒストンH1の局在は、核膜を除去する界面活性剤処理によって影響を受けず、このことからヒストンH1は核膜上にあるわけではなく、むしろ核骨格と結合しているのではないかと想像された。本年度、単離核を界面活性剤、塩およびヌクレアーゼ処理することで得られた核マトリクスを間接蛍光抗体法により染色した結果、核マトリクス上にヒストンH1が局在することが示された。このことは以前の結果と矛盾せず、これまで知られていなかったDNAと局在を共にはしないタイプのピストンH1が存在し、これが核骨格上に位置し細胞質に対し微小管骨格を作るとの考えを支持するものであった。次年度以降、この局在様式をより詳細に明らかにしたいと考えている。一方、その局在の解析のみならず、活性、すなわち微小管の構築機構の解析についても進展が見られた。これまでにヒストンH1によって構築される微小管へのチューブリンの取り込み部位を調べた結果、チューブリンの重合反応は核表面側の微小管末端で行われていることが示唆されていた。本年度、蛍光標識したチューブリンを用いた実験系の改良および顕微鏡の光学系の改善を行い、これまでのものとは比較にならないくらい明確なデータを得ることができた。微小管の重合はやはり核表面側の末端で行われており、形成される多数の微小管は比較的同調的に伸長を行うことも新たに明らかとなった。以上の結果について、できるだけ早期にデータをまとめ、論文として発表したいと考えている。
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