2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化の全能性獲得・維持機構と生殖細胞の成立機構
Project/Area Number |
04J08471
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 晶子 大阪大学, 生命機能研究科, DC1
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Keywords | 胚性幹細胞 / 分化多能性維持 / PI3K / Aktシグナル / 新規ホメオボックス遺伝子 |
Research Abstract |
交付申請書の記載に基づいて研究を行い、以下の成果を得た。 1.Aktの下流で機能する分子の検索:我々は、PI3キナーゼシグナルの下流であるセリン・スレオニンキナーゼAktの活性化型を発現するマウスES(Akt-ES)細胞は、LIF非存在下において未分化性を維持できることを既に見出している。今回、F活性化型Akt発現により、LIF非存在下で分化多能性を維持できるか調べるために、Cre-loxPシステムを用いて活性化型Aktを欠失できるES(LoxP-Akt-ES)細胞を樹立した。LIF非存在下で未分化性を維持した後にAktを欠失したLoxP-Akt-ES細胞は、キメラマウスに寄与することができ、in vitroで様々な細胞へと分化した。この結果から、活性化型Akt発現によりLIF非存在下で分化多能性が維持できることが示された。そこで、Aktの下流でES細胞の分化多能性を制御している因子を同定するために、Akt-ES細胞についてcDNAマイクロアレイ解析を行った。解析の結果、コントロールのES細胞において、分化に伴い発現が変化する遺伝子の大部分は、Akt-ES細胞では発現が変化しないごとが明らかになった。 2.新規ホメオボックス遺伝子の解析:cDNAマイクロアレイ解析の結果、コントロールのES細胞では、分化に伴い発現が減少するが、Akt-ES細胞では発現が変化しない200個の遺伝子の中ゆらホメオボックスを持つ新規遺伝子を単離した。まず、この遺伝子のES細胞における機能を解析するために、新規ホメオボックス遺伝子を発現するマウスES細胞を樹立した。このES細胞は、コントロールの細胞と同様に、LIF非存在下では未分化性を維持することはできなかった。次に、各組織における新規ホメオボックス遺伝子の発現パターンを調べたところ、卵巣特異的に発現しており、特に生殖細胞で発現することが明らかになった。
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