2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化の全能性獲得・維持機構と生殖細胞の成立機構
Project/Area Number |
04J08471
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 晶子 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PI3K / Aktシグナル / 分化多能性維持 / 新規ホメオボックス遺伝子 |
Research Abstract |
1.ES細胞の分化多能性維持におけるAktの機能:これまでにPI3キナーゼシグナルの下流であるセリン・スレオニンキナーゼAktの活性化型を発現するマウスES(Akt-ES)細胞は、LIF非存在下においても未分化性を維持できることを明らかにした。今回、活性化型Akt発現により、LIF非存在下で分化多能性を維持できるか調べるために、Cre-loxPシステムを用いて活性化型Aktを欠失できるES(LoxP-Akt-ES)細胞を樹立した。LIF非存在下で未分化性を維持した後にAktを欠失したLoxP-Akt-ES細胞は、キメラマウスに寄与することができ、in vitroで様々な細胞へと分化した。この結果から、活性化型Akt発現によりLIF非存在下で分化多能性が維持できることが示された。以上の結果をまとめ、『Oncogene』誌に論文を発表した。平成18年度は、Aktの下流で機能する分子を同定する為のスクリーニング系を構築し、Aktの下流分子を明らかにする予定である。 2.新規ホメオボックス遺伝子の解析:cDNAマイクロアレイ解析の結果、コントロールのES細胞では、分化に伴い発現が減少するが、Akt-ES細胞では発現が変化しない200個の遺伝子の中からホメオボックスを持つ新規遺伝子を単離した。これまでに新規ホメオボックス遺伝子を発現するマウスES細胞を樹立し、この遺伝子は、ES細胞の未分化性を維持に働かないこと、各組織においては、卵巣特異的に発現しており、特に生殖細胞で発現することを明らかにしている。この新規ホメオボックス遺伝子の生体内での機能を明らかにするために、欠損マウスの作製を試みた。平成18年度は、引き続き欠損マウスの作製をおこなう予定である。
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Research Products
(1 results)