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2004 Fiscal Year Annual Research Report

コオロギ逃避行動解発を制御する脳内神経機構

Research Project

Project/Area Number 04J08903
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

平口 鉄太郎  北海道大学, 電子科学研究所, 特別研究員(PD)

Keywords一酸化窒素 / 中枢神経 / 感覚情報 / 触角葉 / 化学感覚
Research Abstract

コオロギでは、これまでに嗅覚情報により惹起される行動の存在とその行動に対する一酸化窒素(NO)による修飾作用が既に知られていた。
そこで、anti-uNOS抗体染色法で脳をwhole-mount染色した結果、触角葉およびその周辺域にNO産生細胞の存在が確認された。そこで、行動解発を制御する神経機構の中でも特に嗅覚情報の伝達経路に対するNOの修飾作用を調査するため、当初目的としていた脳内主要構成部位の中から触覚葉を選択し、細胞外誘導法を用いて、NO関連試薬を還流投与した際の触角葉ニューロンの自発活動を記録、解析した。
試薬としてNOSの基質であるL-アルギニン、NOS阻害剤のL-NAMEを投与、また、遊離NOのレベル調節の目的で、NO供与剤であるNOR3とNO除去剤であるPTIOを投与した。さらに標的細胞中のグアニル酸シクラーゼの活性を調査するため、阻害剤であるODQとサイクリックGMPの異性体である8-Br-cGMPを投与した結果、L-アルギニン投与時には、ニューロン群の活性は一時的に上昇し、L-NAMEの投与時には反対に低下した。また、NOR3投与時には発火頻度の顕著な増加、PTIO投与時には減少が観察された。また、8-Br-cGMP投与時には持続的な増強効果、ODQ投与時には持続的減少効果があった。これらの応答は、触角葉内の各部位によって活動状態に差異があった。
このよう結果から、外界からの刺激を遮断した状態でもNOの修飾作用が発現することから、NOは脳内で恒常的に存在し、静止状態下の個体においても、ニューロン群の活性を調節することで入力される嗅覚情報の弁別に一役を担うものと考えられる。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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