2004 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な不斉アザ電子環状反応の実現とアルカロイド天然物の実践的合成法への展開
Project/Area Number |
04J09377
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 豊晴 関西学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多置換ピペリジン / 立体選択的合成 / 不斉アザ電子環状反応 / ワンポット3成分連結反応 / デンドロプリミン / 不斉合成 / インドジジンアルカロイド / アミノインダノール誘導体 |
Research Abstract |
これまでに、新規な光学活性7-アルキル置換アミノインダノール誘導体の開発に基づく不斉アザ電子環状反応を実現し、さらに効率よいワンポットでの不斉アザ電子環状反応を検討してきた。そこで、この反応を多置換キラルピペリジン合成法へと発展、確立することを目的としている。今回はその一端として、全ての立体化学を制御した2,4,6-置換ピペリジンの合成を行った。すなわち、ワンポット不斉アザ電子環状反応により2位の立体化学を制御し、かつ6位にアミノアセタール部を持つ2,4-置換ジヒドロピリジン誘導体を得た。この反応は、これまで小スケールでのみ行っていたが、1.5gスケールでも収率よく進行することを見出した。4位の不飽和エステル部の立体化学は,マグネシウムを用いた還元および接触水素添加によりそれぞれ制御した。6位のアミノアセタール部への立体選択的アルキル化は、エステル基を還元し水酸基とし、その水酸基の効果を利用することで実現した。すなわち、アルキル化剤としてGrignard試薬を用いこれを水酸基に配位させることで、4位の立体化学とsynの立体化学で高立体選択的にアルキル基を導入できた。一方、この水酸基を保護することで、4位の立体化学とantiの立体化学で導入できた。またこの時、2位の置換基によってその立体選択性が変化することも併せて見出した。最後にキラル補助基であるインダン基を除去することで、様々な立体化学を持っ2,4,6-置換キラルピペリジンの合成を達成した。 次に、この方法論を天然物合成法へと展開することを目的とし、2,4,6-置換ピペリジン骨格を持つ天然物デンドロプリミンの不斉合成を達成した。また、デンドロプリミンの7-エピ体、5-エピ体の2つの立体異性体の合成も達成し、この方法により様々な立体化学の2,4,6-置換ピペリジン骨格を持つ天然物の合成へと適応できることを示した。
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Research Products
(1 results)