2004 Fiscal Year Annual Research Report
精密なQTL解析にもとづくアルミニウム耐性遺伝子群の単離と分子改良への応用
Project/Area Number |
04J09546
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 佑理子 岐阜大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | QTL解析 / Al耐性 / シロイヌナズナ / RIライン / マイクロアレイ |
Research Abstract |
前年度に2つのシロイヌナズナRIライン系統(Ler-0/Col-4,Ler-2/Cvi RILs)を用いてAl耐性遺伝子座を複数推定した。そのうち、第1染色体上部のAl耐性遺伝子座(Al-tolerant QTL)は2つのRIラインで共通しており、それぞれ30,40%と高い寄与率を示した。また、RILsのAl耐性、感受性ラインにはリンゴ酸放出能力に差があることがわかった。よって、このQTLはシロイヌナズナ種内のAl耐性を支配するリンゴ酸放出に関与するQTLであると考えた。 そこで、このQTL遺伝子を単離するためにLer/Col RILsを用いて交配を行い5系統のNIL(準同質系統)を作製した。それらのAl耐性を評価したところ、第1染色体上部の約3cM幅の間にAl耐性遺伝子が存在することがわかった。 しかし、このマッピング領域には244個の遺伝子が存在したため、網羅的な解析法であるマイクロアレイ解析を行い、迅速な遺伝子同定を試みた。耐性(Col, Cvi)と感受性親(Ler-0,Ler-2)の耐性差に基づくAlストレス下での遺伝子発現の挙動をマイクロアレイ法によって調べた。尚、マイクロアレイ実験は以下の組み合せで行なった。1)4μM Al処理Col-4 vs 4μM Al処理Ler-0。2)4μM Al処理Cvi vs 4μM Al処理Ler-2。その結果、マッピング領域において、発現レベルが耐性>感受性であり、1),2)に共通であったものは3個の遺伝子であった。 現在、これらのAl耐性候補遺伝子に関して、T-DNAノックアウトラインのAl耐性評価、Al耐性、感受性のアクセッションにおける転写レベルを調べ、遺伝子同定を行っている。
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