2004 Fiscal Year Annual Research Report
流体力学的な変動を考慮した消火剤の火炎抑制機構に関する研究
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04J09564
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Research Institution | National Research Institute of Fire and Disaster. |
Principal Investigator |
後藤田 浩 独立行政法人消防研究所, 基盤研究部・消火研究グループ・JSPS特別研究員
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Keywords | 火災 / 固体燃焼 / 輻射加熱 / 着火 / 浮力 / 非定常火炎 / 国際研究者交流 / 米国 |
Research Abstract |
非定常な火炎面曲率を有する火炎の時間的変動を定量化する試みの端緒として,カオス理論による時系列解析を火炎先端部の不安定現象に導入した.その結果,従来までに定量化されなかった火炎面挙動の規則性を抽出することが可能になり,火炎面挙動の短期予測が可能であることを明らかにした.この成果は,消火剤の添加によって消炎限界付近でより複雑に変動する非定常火炎の挙動を定量化する際に有益である. 非定常火炎の挙動を評価することが可能な計測方法の準備を行うため,輻射加熱によって誘起される固体材料(PMMA,縦40mm横40mm厚さ0.2mm)表面の着火に対する固体材料の角度の影響に関する実験的研究を米国 商務省 国立標準技術研究所で実施した.その結果,固体材料に対して真下から輻射加熱がなされた場合と真上からなされた場合では,照射された側(固体材料の表側)での着火遅れ時間が両者で顕著に異なることが観察された輻射加熱によって材料表面から放出される燃料ガスが浮力の影響を強く受け,このことが着火遅れ時間の変化に重要な役割を演じていることが明らかとなった.さらに,本研究では,固体材料の表側での着火後に生じる固体材料裏側での着火現象も取り扱った.真上から輻射加熱がなされた場合,裏側で着火が常に生じるのに対して,真下からなされた場合では裏側で着火が生じないことが観察された.この違いの要因は,固体材料の表側に形成される火炎背後の燃焼生成物の挙動を可視化することによって,明らかとなった.これらの現象を定量化する際に構築したLabVIEWによる実験制御・計測システムを,来年度実施予定の非定常火炎の火炎構造の解明に適用する予定である.
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Research Products
(3 results)