2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブラジル・サルヴァドールの憑依宗教カンドンブレにおける語りと主体形成に関する考察
Project/Area Number |
04J09660
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 慶介 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ブラジル / カンドンブレ / 宗教 / 憑依 / 精霊 / 人間主体 / 言語 |
Research Abstract |
本年度は、日本国内における文献研究(2004年4月より6月)、ブラジル国内における文献研究(同年7月より12月)及びブラジル国内におけるフィールドワーク(2005年1月より3月)を行った。補助金は、主に現地でのフィールドワーク調査にかかわる諸経費(渡航費等)、文献資料購入費、および研究の際に必要となる機材購入費に当てられた。研究の詳細は以下の通りである。 1.日本国内における文献研究 本研究の対象である憑依宗教カンドンブレにおける人間主体の形成をより広い文脈から理解するために、哲学、心理学、言語学等の人類学以外の諸分野における人間主体を巡るこれまでの研究成果を参照しながら、特に言語の役割に注目しながら主体の形成モデルの考察を行った。 2.ブラジル国内における文献研究 本研究の対象である憑依宗教カンドンブレを巡るブラジル国内での先行研究の整理及び検討を、特に社会学を中心とするカンドンブレの動態を社会変化の文脈に位置づける研究に着目しつつ行った。その際に、サンパウロ大学哲学・文学・人間科学部中央図書館、地理学歴史学図書館、ブラジル研究院付属図書館(以上、サンパウロ州)、国立図書館(リオ・デ・ジャネイロ州)等で資料収集を行った。 3.フィールドワーク ブラジル国バイーア州カショエイラ市に基盤を置き、カンドンブレの調査を行った。精霊の憑依儀礼への参加を通じて、様々な精霊の具体的な名称、属性及び人間に対する役割等の詳細を調べた。同時に、精霊を受けるミディアムへの聞き取り調査を通じて、精霊とミディアム自身の関係を巡る言説の収集を行った。
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