2005 Fiscal Year Annual Research Report
先住民族と移民の権利衝突と平和的解決への模策-インド・アッサム州を事例に-
Project/Area Number |
04J09968
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 真希子 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | アッサム / エスニシティ / 先住民族 / 移民 |
Research Abstract |
本年度はアッサムにおける農村部での調査を行い、平行してデリー・カルカッタ・日本における文献資料の収集・分析を行った。農村部での調査では、民族間の紛争の引き金となることの多い土地不足に注目し、森林地や中洲への人の移動と土地なし農民層について調査を行った。具体的にはアッサム州中部のナガオン県、モリガオン県、ソニットプル県の3箇所を調査候補地として選定し、今年度ではナガオン県の調査が終り、モリガオン県とソニットプル県における予備調査を終えた。 文献資料は、アッサム州公文書館とカルカッタの国立図書館において主にアッサム州政府の植民地時代における土地・森林政策の公文書を確認した。このほか、県行政機関の資料室において村レベルのデータを収集している。また、トライブの土地問題や森林との関係についての研究を主に、先行研究の整理を進めている。アッサム州では県ごとに民族構成や権力関係が異なるが、それは植民地時代の移民・殖民政策と大きく関連しており、歴史的経緯を考慮に入れる必要がある。この点を公文書館において確認できたことは、本研究において大きな意味を持つものである。 今年度は現地調査の途中であるため、研究の最終的な知見は得られていないが、民族紛争と関係の深いアッサムにおける選挙の動向を日本南アジア学会において報告(発表題目:「『後進州』北東部から見たインド連邦制と民主主義-エスニック運動と選挙政治」南アジア学会第18回全国大会報告2005年10月2日(口頭発表))を行った。
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