2004 Fiscal Year Annual Research Report
中世王家の成立と院政-王家構成員の分析を中心とした政治史・制度史的研究-
Project/Area Number |
04J10001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 圭子 (栗山 圭子) 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 王家 / 院政 / 国母 / 新院 / 院 / 天皇 |
Research Abstract |
(1)院政期王家(天皇家)の存在形態の解明と定義化 王家構成員の院政期的特質を抽出することにより、諸構成員の関係性が天皇を基軸とするものから、院を基軸とするものへと変容したことを論じ、院の「家」としての「王家」の成立を提唱した。 また同時に、氏としての王家全体と、その中に形成された「王家」を弁別して、これまで研究史上不明確であった王家の概念規定を行った。 (2)王家構成員による政務運営の諸相解明 これまで政治性が問われてこなかった新院・国母等の院政参画を実証し、(1)で明らかにした王家構成員による院政運営の実態を指摘した。 (3)日本史研究の国際化推進にむけて アメリカにおける日本史研究拠点の一つであるUCLAに所属し、蔵書・所蔵典籍を調査して、海外における日本史研究環境の把握に努めた。日本史という学問領域に限定せず、広く日本学の研究集会に参加して、日本学の一分肢としての日本史受容のあり方に触れた。また、今後課題としている日本史史料の英訳にむけて、漢文ワークショップ等に参加した。
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