2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
妹尾 武治 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己運動感覚 / 運動刺激 / 身体動揺 / 皮質下 |
Research Abstract |
自己運動感覚(ヴェクション)が皮質下の影響を受けるかを検討する実験を行い、第一段階で皮質下の影響を受ける可能性を示唆する身体動揺とヴェクションのデータを得たため、それらを7月の視覚学会夏季大会(高知大学)において発表した(ポスター発表)。 皮質下の影響の検討と同時平行して、運動刺激区分による身体動揺生起の変化とヴェクション生起の有無を検討する実験を行った。結果、輝度処理よりも高次な処理を必要とする運動刺激の場合、身体動揺の生起までの潜時が長く、生起強度も弱いことがわかった。またヴェクションは身体動揺強度に必ずしも対応せずに運動知覚時間に対応して生起することがわかった。このことを、9月の第68回日本心理学会大会のワークショップにおいて話題提供を行った。また同大会で、輝度の運動は意識にのぼらなくとも身体動揺を生起させることを報告する発表も行った(ポスター発表)。 さらに、皮質下の影響の検討を進めた結果、視蓋前領域の細胞の反応特性とヴェクションの生起特性が類似していることが分り、その結果を10月に開かれた、第4回VR心理研究会(日本福祉大学)において発表した(口答発表)。この実験の内容をより吟味するために、追加実験を行ったものを11月に行われた第23回基礎心理学会(新潟大学)において発表し、広く意見を集めた(ポスター発表)。 学会において得られた意見を参考にし、刺激を改善しよりアーティファクトの少ない刺激で再度皮質下の関与の検討を行った。その結果をまとめて2005年1月に視覚学会冬季大会(早稲田大学)において発表した(皮質下の情報のヴェクションへの寄与-ガボア刺激を用いた検討-)。
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