2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
妹尾 武治 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヴェクション / 身体動揺 / 運動信号 |
Research Abstract |
昨年度は、まず5月にこれまでの自己運動誘導感覚(ヴェクション)の研究成果を国際学会(Vision Sciences Society)において発表し、国際的に高い評価を受けた。成果の内容は、ヴェクションが低次、高次な運動成分の由来に関わらず、運動知覚に依存して生起するというものであった。 次に、身体動揺の論文を身体動揺研究会学会の雑誌に投稿し、受理された。ただいま、発行待ちの状態である。内容は、低次な運動情報で誘発されるような大きな揺れの成分が高次な運動情報からでは誘発されないというものである。 また昨年度は幅広く心理学の範囲の研究を学会で発表した(日本心理学会での発表、9月・日本基礎心理学会での発表、11月)。 さらに昨年度から取り組んだ、内発的な運動信号が姿勢制御に及ぼす影響を1月に日本視覚学会で発表し高い評価を得た。 内容は、走る人の静止画のように運動情報を内包するが、それ自体は静止している刺激画を連続提示するさいに姿勢制御に影響が見られるかというものであった。結果、内発的な信号は重心位置にバイアスをかけるという頑健な結果が得られた。これは世界でも初の試みであり、発見である。 現在は次年度(平成18年度)の5月に開かれる国際学会の準備と、7月に開かれるアジア学会の準備を行っている。 5月の国際学会では、平成16年度に取り組んだ、皮質下でのヴェクション制御に関する知見をまとめあげて発表する予定である(アブストラクトはアクセプト済み)。 7月のアジア学会では、目下取り組んでいる内発的な運動信号がヴェクションに及ぼす影響について発表する。尚、この結果は、内発的な運動信号でもその強度が十分に強ければ、ヴェクションが誘発されるというものである。
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