2004 Fiscal Year Annual Research Report
大都市大気境界層内での人為起源物質の化学的変容過程と自由対流圏への輸送過程
Project/Area Number |
04J11319
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 長 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 物質輸送 / 大気化学 / 積雲対流活動 / オゾン / 汚染大気 / 長距離輸送 / 気象 / 大気環境 |
Research Abstract |
本研究では、東アジアにおけるオキシダントやエアロゾルの分布やその動態を、3次元化学輸送モデルを様々な観測と比較することにより明らかにすることを目的としている。特に、東アジアには大都市等、人為起源物質の大きな発生源が存在しており、これらの発生源から放出された物質の大気中での変容や輸送過程、除去過程を調べる。本研究では、これまでに開発されてきている気象力学モデルMM5と3次元化学輸送モデルCMAQの両者を結合させ新たに信頼性の高い排出源データを取り入れることにより、東アジア域における領域3次元化学輸送モデルを作成した。現在は、この作成したモデルを使用することによって、人為起源物質の発生源とその輸送過程の特徴を調べている。これらの計算結果を地上観測、衛星観測、航空機観測により得られた結果と比較することで、作成したモデルの妥当性や精度の確認を行っている。今後は現在のモデルの発生源や物理・化学過程の問題点を明らかとし、モデルを改善する予定である。また、航空機観測のデータ、気象データ、衛星データを用いて、春季東アジア域における積雲対流活動が物質の長距離輸送において重要な役割を果たしていたことを学術論文として発表した(Oshima et al.,2004)。あわせて、春季東アジア域におけるオゾンの前駆気体の鉛直輸送(積雲対流活動)によるオゾンの光化学的生成への影響の見積もりを行っている。一般に下層から自由対流圏へと輸送される空気塊は多量の水蒸気を含んでいるので、下層から輸送される窒素酸化物濃度が自由対流圏中でのオゾンの光化学的生成速度の支配要因となると考えられる。
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Research Products
(1 results)