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2006 Fiscal Year Annual Research Report

複数のキナーゼ活性を同時観察可能な蛍光プローブ分子の開発と細胞周期解析への応用

Research Project

Project/Area Number 04J11499
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

河合 康俊  東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords蛍光プローブ / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 緑色蛍光タンパク質 / MAPキナーゼ / Erk / タンパク質リン酸化 / 可視化 / FRET
Research Abstract

ERKは増殖因子や発癌プロモーターなどの細胞外刺激で活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである.本研究ではERKのキナーゼ活性を蛍光顕微鏡観察下の細胞内で可視化分析するための新規蛍光プローブの開発を行い,ERK情報伝達系における新たな知見の獲得を目指した.このプローブは,ERKのリン酸化標的基質ペプチドである基質ドメイン,リン酸化された基質ドメインと結合するFHA2ドメイン,および2色の蛍光タンパク質(CFP, YFP)から構成されており,活性化ERKによってリン酸化された基質ドメインがFHA2ドメインと結合することによってCFP-YFP間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)効率が変化することを期待してプローブを設計した.プローブをコードするcDNAをヒト乳癌由来MCF-7細胞に導入し,上皮増殖因子(EGF)を添加したところ,プローブ分子のリン酸化に伴うFRET効率の減少が観察された.ウエスタンブロッティング法によりプローブの基質ドメインがリン酸化されていること,また,ERKの活性化を阻害する薬剤U0126の存在下ではFRET効率の減少,基質ドメインのリン酸化ともに観察されないことから,このプローブはERKの活性化を生細胞内で検出可能であることが確認された.また,プローブの応答から,細胞質ではEGF添加後のERK活性の上昇が一過的であるのに対し,核内では活性が持続的であることを見出した.チロシン脱リン酸化を阻害するオルトバナジン酸ナトリウムの存在下では細胞質におけるERKの活性が持続的になったことから,EGF刺激によって活性化されたERKを脱リン酸化して不活性化するチロシンポスファターゼが細胞質にのみ存在していることが明らかとなった.本研究は,蛍光標識によるERKの分子動態解析ではなし得なかった,ERKの「活性」の時間的・空間的な解析に蛍光プローブが有用であることを示した.

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Genetically Encoded Fluorescent Indicators To Visualize Protein Phosphorylation by Extracellular Signal-Regulated Kinase in Single Living Cells2007

    • Author(s)
      Moritoshi Sato, Yasutoshi Kawai, Yoshio Umezawa
    • Journal Title

      Analytical Chemistry 79(6)

      Pages: 2570-2575

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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