2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11592
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽鳥 恵 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 概日時計 / サーカディアンリズム / 松果体 / 網膜 / 細胞内局在 / 中心体 / γ-tubulin / 免疫沈降 |
Research Abstract |
申請者は、ニワトリ松果体において時刻依存的に光誘導されるLcg (Light-inducible and clock-controlled gene)に関する研究を行い、以下の成果を挙げた。まずタンパク質レベルでのLCGの解析を進めるために、LCGに対して高い特異性を示す抗体を作成した。この抗体を用いて発現分布(臓器)を調べたところ、LCGタンパク質はニワトリの松果体および網膜にかなり限局して発現していた。両組織は時計の発振系と光入力系を併せ持つ組織であり、時計機構とLCGとの関係が示唆された。 LCG抗体を用いて、培養細胞(COS7)に過剰発現させたニワトリLCGの細胞内局在を解析したところ、核の近傍に点状の陽性シグナルが観察された。また、LCGとCFP(シアン色蛍光タンパク質)との融合タンパク質をCOS7細胞に発現させ、中心体のマーカータンパク質であるγ-tubulinとの発現部位を比較した。その結果、両者が共局在することを見出し、LCGは中心体に局在していると考えられた。さらに、ニワトリ松果体成分を細胞内各オルガネラに分画し、ウェスタンブロット解析に供したところ、LCGとγ-tubulinの分布パターンは互いに類似していた。両者が相互作用している可能性を探るために、松果体もしくはCOS7細胞を実験材料に用いて共免疫沈降実験を行った。その結果、LCGとγ-tubulinは共免疫沈降された。従来、LCGの哺乳類オルソログは核、細胞膜もしくはゴルジ体に局在することが報告されていた。申請者の今回の結果は、LCGが中心体に局在するという新たな知見を与えるものであり、LCGの研究は中心体の機能を解明する上でも重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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