2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J11592
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽鳥 恵 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 概日時計 / サーカディアンリズム / 培養細胞 / Bmall遺伝子 / ルシフェラーゼ / 細胞内局在 / 中心体 / γ-tubulin |
Research Abstract |
交付申請書に記載した研究目的・研究実施計画に沿って研究を行い、下記の成果を得た。 A78が時計遺伝子(BmallやPeriodなど)の転写に与える影響を解析した。具体的にはまず、ニワトリA78およびマウスA78の発現コンストラクトを作製し、時計遺伝子の上流配列をレポーターとして転写アッセイを行った。その結果、A78の過剰発現により時計遺伝子の転写量には変化が見られなかった。そこで、時計遺伝子のリズム形成にA78が与える影響を解析するため、ルシフェラーゼ発光量を経時的に連続測定する系を立ち上げた。これまでに、概日時計研究のモデル細胞であるrat-1細胞にBmallレポーターコンストラクトを発現させ、Bmallの発光リズムを約2週間にわたって計測することができた。今後、この測定系を利用して時計発振に与えるA78の影響を解析する予定である。 一方、タンパク質レベルでのA78の解析を進めるために、抗A78抗体の作製に着手し、特異性の高い抗体を得ることができた。作製した抗体を用いて、培養細胞(COS7)に過剰発現させたニワトリA78の細胞内局在を解析したところ、中心体に点状の陽性シグナルが観察された。そこで次に、A78とCFP(シアン色蛍光タンパク質)との融合タンパク質をCOS7細胞に発現させ、中心体のマーカータンパク質であるγ-tubulinとの発現部位を比較した。その結果、両者が共局在することを見出し、A78は中心体に局在していると考えられた。従来、A78の哺乳類オルソログは核、細胞膜もしくはゴルジ体に局在することが報告されていた。申請者の結果は、A78が中心体に局在するという新たな報告であり、A78の研究は中心体の機能を解明する上でも重要な役割をもつ可能性を示唆している。
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Research Products
(1 results)